2級建築士製図講義

2級建築士の製図講義が始まった。

学校まで走る!

十数年ぶりと言われる、一昨日からの大雪で走れず、今日も一日講義で登壇のため走れない。3日も走らないと身体がナマってしまうので、学校まで走って行くことに!

基本的に、昨年不合格だった人たちの講座なので、何をすれば良いのか?どうしたら今年合格できるか?を、一応理解した上で講義に臨んではいると思う。が、しかし講師から一度言われたことを忘れてしまう性格上の問題も多分にあるから、不合格になってしまったとも言い換えられるのではないかと思う。

合格へのロードマップを作成してみる。

これを配布するとダイアリーに挟んだままとか、他の教材に埋もれ、永遠に見ないというオチが付くのが関の山。なので、面倒でも昼休み中に黒板に板書する。黒板に板書すれば、ノートに書かざるを得ないワケで。資料を作って手渡すと、安心感でそれを見ない受講生が中にはいる。渡してるのに、貰ってないとか言う受講生もいたりする。世の中には、様々な人間がいるんだなぁと、つくづく講師になって改めて考えさせられた。

肝心な受講生の出来だが、ほぼ全員合格レベルの作図を描き上げられることを確認できた。スタートは好調!このままの調子で進めて行ければ良いが

問題は、プランにある!
今回の受講生は、プランで落とされたのだと実感した。

世界一周の旅(昆明~西双版納)

06apr1992(mon)晴れ

バスで、西双版納へ移動途中の甘荘村で、思いもよらぬ強制宿泊

思茅への途中の集落に建つ、不思議な建築物。

泊まった旅社で、南京虫に腹をヤラれ痒い。一旦、南京虫に食われると、かなりの日数尾を引き、しばらく跡がクッキリと残ってしまう。ちなみに、半年後の旅の終わりまでずっと跡が残った。

バスに乗り込み出発する。
未舗装路の上、ヘタったサスペンションでは振動が直接ガツン!と、お尻に響く。ガタガタ揺れる度に首がぐわんぐわん揺らされ、生きた心地がしない。早く西双版納に着け!早く西双版納に着け!と念仏のように心でとなえる。

で、やっぱり途中の村でバスが停まる。明らかに動こうとしないので、トイレ休憩ではないことくらいわかる。おぃ、おぃ、まさか

まさかの!強制宿泊って、を~ぃ!!
今度は、ニコニコ顔ではフロントが宿泊許可を出してくれない。外国人は泊まれないという。出たよ、出たよ~!あの忌まわしい外国人宿泊拒否!やめて欲しい、こんな田舎町でどうすんねん!と、中国の片田舎の中心で、

どないすんね~ん!

と、叫びたい。訴えたい。
途方に暮れかけた時、台湾観光客がたまたま居合わせ、外人が泊まれるホテルを尋ねてくれ、一緒に泊まってくれるという!地獄に仏とは、まさにこのこと!!ホッと胸をなで下ろした。

道端の道標を確認すると、ここは思茅という村らしい。
甘荘~思茅、行程約280km。ようやく明日こそは、西双版納だと思うことにして寝る。

つづく

<支出>
朝:なし
昼:麻婆豆腐、牛ネギ炒め、米飯 計5.5元 ※牛肉ネギ炒めも良く食べてる
夜:豚の耳、牛タン、水餃子、ビール 計5元
宿泊費(台湾観光客とシェア):5元/人
タバコ、ペプシコーラ 計5.5元
合計:22元(539円)

世界一周の旅(昆明~西双版納)

05apr1992(wed)晴れ

3日、西双版納行きのバスチケットを求め、昆明市内を彷徨った。

ようやく探し出したチケット売り場で乗車券を買おうとしたが、機械が壊れていて発券できないとのことで、翌4日、やっと乗車券を入手。(ペラッペラの透けるような紙製の乗車券)当時の中国はそんな感じで、チケット入手が本当に大変だった。昆明~西双版納までの行程、約660kmのバス代50元(1,250円)

ホテルの窓から

朝5時頃、目が覚める。身支度をし、バスターミナルへ向かう。
8時10分、バスが発車。これ本当に走るの?って状態のポンコツ車。バスの中は狭く、お決まりの様にやっぱり硬い座席の上、身動きできないくらい、ぎゅうぎゅう詰めにされる。陸路での移動は、とにかく耐える!こと。忍耐が必要。様々に変化する景色を楽しむ余裕すら殺がれる設備と環境。

デコボコ道の反動で尻が浮くくらい飛び上がる。その度に首がぐらんぐらんと左右に揺れる。しっかり力を入れてないと、ムチ打ちになりそうだ。

夕刻前、バスがとある町で停まり、皆ぞろぞろと降りていく。え?なに?この時間に??クエスチョンマークが、ぐわ~ん!と、怒涛の如く押し寄せる。

全員、とある建物に入っていく。一緒に中に入ってみると、どうやらここで宿泊するらしい。

をぃ、をぃ!
聞いてないよ~!!

当然、ホテル代込みのバス料金ではないので、各々フロントで受付を済ませ、各部屋に散っていく。物凄い片田舎の中国の中心で

中国語も話せない日本人が、どうしろっちゅうね~ん!

と、とりあえず叫びたい。
ほんと中国、どうなってんか分からん。ワケの分からぬままその流れで、フロントで適当にニコニコして、お金を払って部屋に行く。朝から何も食べてなかったので、猛烈に腹が減ってることに気付き、外へ出て食堂を探す。

道端に「甘荘」と書かれた看板が立っている。そこでようやくここが甘荘という所だと知る。そんな日程だとは知らされずにバスに乗ったものだから、夜通し走るのだと思っていた。そこは、バスで昆明から南西へ230㎞ほど走ったところに位置する小さな村だった。

ちなみに、GoogleMapsで調べてみると、現在は高速道路が通り、昆明から車で2、3時間で行けるようだ。

つづく

金銭出納
朝:なし
昼:なし
夜:牛ネギ炒め、白菜炒め、米飯、ビール 計5.2元
タバコ8元、ペプシコーラ1.25L(5元)、落花生7角、旅社(ホテル代)6.1元、シャワー5角 合計25.5元(626円)
※ホテル代6.1元よりタバコ(マールボロ)8元の方が高い!

世界一周の旅(昆明~西双版納)

04apr1992(wed)晴れ

この旅の目的は、きちんとした建築学を学んでいない自分にとっての「建築を学ぶ旅」という位置付けでもある。単に、異国の地を見て回りたいだけの、一時の感情だけではない。

といういのも、この旅に出かける直前まで、東京の設計事務所(團+青島建築設計事務所)に勤めていた。團さん、青島さん、そして事務所の仲間に、ものすごく刺激を受け、建築の世界で生きて行こうと、このとき心に誓った。この事務所に勤めていなければ、いまの自分は無かったと、断言できる。それまでは一級建築士なんて、遠い、遠い、存在に思えたのだから。

だけど、建築をちゃんと学んでいない自分にとっては、すべてが未知の世界。大学の建築学科へ進学しようと思ったこともあるが、学費やその他諸々のハードルが頭をもたげる。じゃあ、独学するしかない!と、一念発起。様々な建築専門書を読み漁ったが、机上での勉強が嫌いだった自分には、いまひとつ身に入ってこない。少し、視点を変えて、実際の建築を見た方がイイんじゃね?と。百聞は一見に如かず!!社会が自分の教師というスタンスなんてワクワクするやん!しかも、学費を貯めるなら、その半分以下の費用で、旅費に充てた方がなんかお得感アリアリやで~!!というワケの分からん理由をこじ付けて。

思い込んだら鉄砲玉。 食費を切り詰め、半年間コツコツと費用を貯めた(この時、いまのカミさんと結婚する前提だったから、その資金も同時に貯めていたので、相当生活を切り詰めた)で、その事務所で一緒に働いていた、普段から良くしてくれていた先輩から、中国に行くんだったら、西双版納(シーサンパンナ)がイイぜ!是非行ってみてよ!と言われていた。

前置きが長くなってしまったが
本当は、西双版納よりも、楼蘭とか烏魯木斉とか行ってみたかった。実際、その予定だったが、長江を遡るという流れで、行きついた先が昆明。成都から西安、烏魯木斉、そこから国境を越えなんて朧気に考えていたが、現実はそう甘くはなかった。そもそも、結婚式を半年後に控えていたこともあり、期間に制限があったこと。ギリギリの予算だったこと。全部現地で情報を仕入れ、チケットも現地手配。当時の中国はそもそもチケット売り場がどこにあるのか?一日中歩き回っても情報が得られないということはザラ。見つけたとしても、おしくらまんじゅうでヘトヘトになり、あぁ、もうちょっと滞在延ばすかとなり、チケット入手するだけで、あっという間に日数が経ってしまう。費用を抑えるため、基本的に国内の移動は陸路が前提だったため、中国滞在は1か月間という期限に、あっという間に迫り、急遽、昆明から飛行機でタイへ飛ぶことにして、近隣の西双版納や、大理、石林を回ろうというプランに変更したのだった。

長くなったので、この辺で。
次回へと、つづく

雲南省名物、過僑米線。米の麺。この麺にハマって雲南省では、朝と昼こればかり食ってた。日本円にすると、これだけのクオリティーで1杯15円ほど!!

金銭出納
朝:インスタントラーメン、オレンジ×2
昼:米線0.7元
夜:麻婆豆腐、牛ネギ炒め、米飯 計5元
食堂近くの露天にてビール2本(3元)購入し、持ち込み。
博物館(少数民族資料館)5元、動物園6角、パンフレット1元、水筒10元、昆明~西双版納バスチケット50元、少数民族に関する書籍4.4元、ポーチ10元、財布8元、シシカバブ4角 合計98元(2,404円)

2級建築士製図先行講座はじまる

言葉悪くいえば、去年惜しくも製図試験に落ちた人たちの先行講義。

今年学科から受講の人たちは、7月第一日曜に学科試験。その学科合格発表の8月下旬を待って
となると、製図本試験は9月第二日曜だから、学科合格発表から学習しても全く間に合わないので、合格基準点に達した受講生は、見切り発車で学科試験直後の翌週(7月第二日曜)から、製図講座が始まる。

先行講座の受講生は、5か月も先行して製図の学習を始めることになる。そいう設定だから、学科からの受験生から比べると相当出来が良くなる筈なんだけどねぇ。でもこれが、本試験1か月前くらいになると、レベルが殆ど変わらなくなる。ヘタすると、後から学習した受講生が上回るってことが起こる。

え?なんで?
って、思うけど。そこが製図試験の難しいところでもある。学科は正答がひとつ限りだから、そこへ向かって学習すれば、自ずと道は誰にでも開ける。しかし、製図は十人十色。全員違うプランでも、ゾーニング、出題に対しての適切な判断、要求された内容がそつなく漏れの無い図面を描けていれば正答なのだ。あとは、採点官次第というのも有るけど(採点官の感情に触れる図面は、落とされ易いと聞いたことがある)

この製図試験こそ、建築士としての判断力や、更にはセンスが問われることになる。この2か月間という短期決戦で、かなりのヴォリュームの内容に臨むには、センスの良し悪しが相当関与する。その中でも特筆すべきは、美しい図面が描けるか否かにかかっている。美しい図面は基準点には含まれないと思うけど、採点官も人の子。美しい図面と汚い図面、どちらかを選択しなければならない状況に立たされれば、同じプランであれば、美しい図面を採択するだろう。決して美しさは、採点基準の本流にはないが、そういう判断もあるのだと思う。要は、先に書いた試験管の感情に触れる図面、汚い、見辛い、何を言わんとしてるのか分からない図面そういうのは、やはり建築士としての表現力に欠けると判断されて然るべきと、少なくとも自分はそう思って指導に当たっている。自分が試験管であれば、そういう判断も無きにしも非ず。表現力という観点から言えば、やっぱり綺麗な美しい図面から、採択するだろう。

ま、要は試験に受かりさえすれば講師としての務めは、ほぼほぼOKなんだけど、でも今言った観点で、指導を行おうと思う。受講生の資格取得理由がどうであれ、クライアントを納得させ、その気にさせるエネルギーを養い、圧倒的な表現力を身に付けさせるところまで拘って指導したいと思っている。

・建築士としての適切な判断力
・建築士としての圧倒的な表現力(図面の美しさ等含む)

世界一周の旅(昆明3日目)

03apr1992(wed)晴れ

日中は、Tシャツで充分な陽気。

ここ昆明(雲南省)では、町の至る所でカラフルな民族衣装を着た、少数民族を見ることができる。少数民族が多数混在する地域でもある。

その少数民族のサニ族、らしきオネーさんたち
というのも、漢民族が民族衣装を着て、何かやらかしてることも暫しあるらしい。その当時は、外国人が持てる外人貨幣と、人民紙幣との間にレート差があって、高値で闇換金してくれたのだ。

ホテルを出る度に、玄関前で待ち受ける民族衣装を着たオネーさん達に、外国人と見るな否やチェンジマネ~?と、必ず声を掛けられる。割と換金率が良いし、銀行に行っても額面は同じなので、当然換金なんてものは存在しないから、そのオネーさん達から毎度、人民紙幣に換金してもらい額を増やすというのはいつものこと(汗)※闇換金だから、公安(警察)に見つかるとタダでは済まされない。

民族衣装に施したように、カラフルな刺繍の財布やらポーチやらを土産物として、様々なものをついでに押し付けてくるのは、彼女らの常套手段。その度に断るが、闇換金の常連ともなると顔見知りになり、彼女たちのニコニコ顔そのうちニタニタ顔に変わる。そのしつこさに断り切れず、結局買う羽目になるんだけどね(汗)

次回につづく

上にスクロール