建築家なしの建築

意外と身近なところに「ナニコレ?」的な建築や、ちょっとした街並みが存在する。

門は有るけど、家が無くて庭みたいになっていたり…
明らかに普通に建てられた建築だけど、妙に建築家好みのプロショーンだったり…
家と家の隙間に家が入れ子のように建っていたり…
外壁を張っていない建築中の夜景や…
コンビナートの支離滅裂な様相…

そういうの見るとワクワクしちゃう!

それっておそらく、意図(作為)しない場当たり的な恣意性が良かったりするんじゃないかなぁ?と、思っていて。考えずに建物を造っていった結果として、建築家の意図を超える時だってあるのだろう。まぁでも、それは結果論であって、さらに万人受けするものではないということもわかってはいるが、著作権が不明な分、ちょっとパクってみても良いかな??と、正直思うときもあったり(汗)ま、多かれ少なかれ、経験値を元にデザインというものは成立するものだからね。

令和2年度建築士資格講義始まる

明日から、令和2年度の二級建築士資格講座が開校される。
学科と製図の講義を受け持つが、学科は構造Ⅲを担当。

明日は、開校ガイダンス。その中で、受講生の実力を見極めるテストがあり、構造パートの解説をすることになっている。そのための準備。

こんな感じで、講義の流れをイラスト化し、当日板書や口頭説明、あるいは実際に受講生にやってもらい感じてもらう。特に力学は、見えない力の流れをいかにイメージできるか?というところに重点を置いている。

どう教えれば理解してくれるか?
という視点だと講師目線になりがち。そうではなく、自分が受講生の立場として、「こんな感じで教えてくれれば理解し易いんだけどなぁ」という受講生目線を常に意識して、講義準備をしている。

静定構造物の反力の求め方のポイント

ボク自身は20代前半から現在までの約30年間、ずっと意匠設計畑を歩んできていて、一級建築士の資格を持ってはいるが、いわゆる構造設計者ではない。一級を取るのに、実務2年で二級建築士を取得し、さらに実務4年を経て一級建築士の受験資格を得た。その際の試験勉強でも、構造が一番の苦手だった。特に力学は不得意中の不得意分野(汗)だから、構造の講義を担当した初年度は、かなり苦労した経験がある。その時の苦労を考えてみると、受講生の心境以上のプレッシャーを感じながら、講義の準備をしていたことが、いまだ新しい記憶として残っている。つまりその時の状況は、まるっと、受講生の立場だったと言い換えられるんじゃないかと。まさにその時の自分の学習方法を元に講義準備を行っている。さらに、ひとつのことを教えるのに、多方向からのアプローチとして、最近のネット情報や、過去10年以上前の問題集の研究等々をやっている。なので、結構時間を要してしまう。然るに、そこにはやっぱり要領の良い講義準備というものは存在しないと感じている。

予算の再すり合わせ

予算との折り合いがつかないまま打合せを終えた。
あり得ないくらいかなり限界に近い数字を減額したが、インフラの部分で未確定事項があるために、もうひと越が欲しいということで、更に見積額を詰める方向で次回へと持ち越してきた。

プランはこのまま進めて欲しいとのこと。建築部分は前回の打合せで切り詰められるところは切り詰めており、残すところは設備廻りのみ。キッチンや洗面台の仕様を変更したり、既製品を造付で大工工事とした提案に変えてみたり…これに併せ、プランの部分変更とか。

建物イメージはそのままに、考え得る削り落とせる部分はとことんまでそぎ落とし、コストパフォーマンスは限界にきているので、かなりシンドイが、一応目途を立ててみた。

設計は、単にデザインだけでは成り立たず、特に住宅という建築タイプはコストとの闘いが常につきまとう。コストバランスに対するセンスも問われるのだ。

東京4

JR国分寺駅で降り、ここからランニングがてら、いくつかの建築を見て回る。

最初に駅近くに建つ、藤森さん設計のチョコレートハウストタンの家を見る。個人宅(トタンの家はギャラリー)なので外から拝見。

チョコレートハウス
設計:藤森照信

外壁に張った、鋼板の波打った感じがとても良かった。手で一枚一枚グニャグニャ曲げながら張っていくのをどこかの雑誌でみたことがある。この建築の持つ独特なエネルギーは、そのとてつもない労力の裏に隠されているのだ。

トタンの家
設計:藤森照信

ジロジロウロウロしながら写真撮ってると怪しい人物と誤解されかねないので、ササっと済ませて5kmほど住宅街を走り抜け、次のなかまちテラスへ向かう。

なかまちテラス
設計:妹島和世

なかまちテラスというので、もっと大きな施設をイメージしていたが、意外とこじんまりした小平市の図書館だった。(手前の交番と比較してみると規模の程度が良くわかる)この折り重なるボリュームを平面に持つ形式は外観こそ違うが、同氏設計のすみだ北斎美術館(右画像→)と考え方は全く同じ。重なったボリューム相互の空いた外部空間を、路地のように見立てている。

道路からみる(Googleストリートビューから拝借)

この重なったボリュームの隙間が、路地になっている。外装のエキスパンドメタルを公共施設に使うって、ちょっとどうかと思ってたけど。遠目には違和感ないけど、近づいてみると、やっぱりチープに見えたりする…工事中の現場みたいで

ここから、三鷹辺りから多摩湖へと延びる多摩湖自転車道を約10kmほどひたすら走り、前回書いた多摩湖霊園管理休憩棟、狭山の森礼拝堂へと向かう。

東京

打合せ準備

夕方からの打合せに備え、少し前に考えた減額案のプランについてまとめる。

面積を縮小する方向で基本的には考えたが、2階が中々まとまらず、この部分についてと、面積縮小した案での金額について方向性を話し合う予定。面積を縮めると何かしらの負の方向へと思考が片寄るのは誰しものこと。なので、付加価値を見出せる案にしなきゃいけないというところもミソなのよね。

縮小案のエスキス
M邸計画案
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