Mハウス完了検査

植栽等の工事がまだ残るが、ほぼ工事が完成。

ERIに完了検査申請を提出しなくてはいけないが、工事中半でIHヒーターをガスコンロに変更したため、キッチンが火気使用室に該当し、内装制限が課せられる。予め現場と施主には仕上材は、準不燃材でと指定しておいた。

完了申請と同時に、軽微な変更説明書を作成し提出する。何も変更が無ければ、特に面倒な作業ではないが、今回は換気計算書や、その他変更部分の図面を求められるので、まぁ、ちょっと面倒な作業。体裁よく作成しないといけないので、意外と時間を取られてしまう。

検査当日。
現場に10:00とのことで、30分前に着くように向かったが、すでにERIの確認検査員が来て、建物の配置確認を行っていた(汗) たまたま現場代理人が早めに来ていたようで、対応してくれていた。24時間換気等、内部確認の対応をし、滞りなく無事検査終了。

現場最寄り駅のメッセージボード。入れ替わりでテーマが決められていて、今回は、せっかく岩手さ来たんだったら〇〇買ってって!というタイトル。

ちょ
トイレットペーパーって、
をぃ!

Mハウス現場

そろそろ終盤を迎えつつある工事の現場監理へ。
田園地帯にあり、どの方向からでも視認でき、奥羽山地から吹き下ろしの強風に、常にさらされるような場所に建っている。

吹きさらしの立地のため、エントランスアプローチには風除けの壁を立てており、この壁が住まいの特徴を表しているとも言える。(画像左)

エントランス側には開口部を設けておらず、正面からは中の様子が伺えない。しかし、一旦中へ入ると中庭からエントランスホールに光が降り注ぎ、低く抑えられた天井の廊下を抜けた先には、ズドンと大きな吹抜のあるLDKに至る。意図的にボリュームを抑えた空間と、吹抜のような大きく伸びのある空間とのギャップが大きいほど、その心理的作用において、たとえ小さな間取の家であっても、奥行き感や、伸びといった、通常の家では感じられないような効果が、よりリアルに生まれる。

M邸、最終完成イメージ
フォトレタッチにて、最終的な完成イメージをつくってみた。

Tハウス現場

以前、建物一部の外壁材を間柱(杉材)で仕上げると書いたが、その外壁が張られていた。もっと荒々しいものを想像していたが、意外と普通の羽目板と変わらない。羽目板との違いは、値段が安価であること、死節があるか否かという品質上のこと、一番の違いは板の厚み。間柱なので、30ミリもあってぶ厚い。一方、羽目板は12~18ミリ程度と薄い。この違いは大きく、板が薄いと反ったり、板同士に隙間が出来たりする。構造材なので、ほぼ気乾状態と含水率も低く、板に厚みがあるので、変に反ったり隙間が出たりすることが少ない。

これは結果的に、中々にグッドチョイスだったと思う。

あとは、板材の色味が均一になるように、木材保護塗料を施す予定。

Tハウス現場打合せ

建て方も終わり、外壁下地が張り終わりつつある現場に行ってきた。

建物のかたちが見えてきた。遠くに岩手山が見える好立地。しかし、区画整理事業真っ最中の土地柄なため、いずれは住宅で埋め尽くされることになるだろう。

車を自宅に置いて盛岡分室にきているので、盛岡でのもっぱらの移動は、チャリ(ミニベロ車)か、自分の脚ひとつ。とてもシンプルな移動手段💦 それで、趣味と実益を兼ね、ランニングで移動。距離に対する時間感覚を間違え、ちょっと遅刻すみません💦

今回は、細部の納まりについて現場打合せ。まずは階段について。

当初のイメージは、無垢の木をくり抜いて造った階段。物理的に木をくり抜いて造る訳にはいかないので、実際は無垢の板を接ぎ合わせてつくることになる。とはいっても、無垢の板材はべらぼうに高価なので、大体は集成材に落ち着くのだが、それでもモデルハウスという性格上、少しだけ粘ってみた。集成材でも、フィンガージョイントのない材料もあり、少しだけ無垢材の様にみえる。これが使えないかと打診し、現場でサンプルを見た結果、やっぱり集成材は木材の集成でしかない。それ以上にはならない。であるなら単価の安い普通の集成材で今回も落ち着くことになった。一見無駄とも思えるこういう作業の積み重ねは、住宅建築にとっては不可避であり、出来上がった姿は、これまでの思考の一部でしかない。その良し悪しは、設計者のセンスや判断力、拘りにあるのだといつも思う。妥協してしまえば簡単だが、そこにはやっぱり、色んな「闘い」と「葛藤」があり、わずかな判断で、建物の良し悪しを左右してしまうことになる。住宅という建築タイプは、クライアント個人の買物としては多額なため、予算にシビアにならざるを得ない。

左が設計当初(基本設計)の、外壁下見張りのイメージ。右が、実施設計終了時のヴォリュームCG。

外壁も当初は、ケイミューのSOLID(typeM_LAP)というのを選んでいたけど、予算の都合から、金属系サイディングに変更した。ただし、建物全体の印象として、そのイメージを引き継ぐ表情が欲しかったので、下のSF-ビレクトを選択。どちらもGOOD DESIGN賞を受賞した材料なので、公に評価を得た信頼性の高い外壁材には違いない。

アイジー工業のSF-ビレクト。

窯業系(ケイミューのSOLID)と金属系(SF-ビレクト)との根本的違いは、テクスチャー(質感や素材感)の違い。これは大きな差として表情に変化を与えることになる。ケイミューのSOLIDはザラっとした表情で、SF-ビレクトはツルっとした表情。そもそも基となる材料が違うので、どうすることもできない。

次に、建物正面、外壁の一部分を構成する板張りについて。
見積りには羽目板を入れており、板張りの性質上、木材経年による痩せや暴れを避けるため脳天から釘止めという施工方法しか選択肢がない。羽目板の繊細な表情に、釘止めというのに何かしらの抵抗があり、どうせ脳天釘打ち施工になるなら、いっそのこと壁の下地材(軸組)で使用する間柱を使ってはどうかと、閃いた!

壁の下地につかう間柱。普段は表に出てこない材料。今回はこれをつかって外壁の一部に張ることにした。下地材なので、表面は荒々しい。この荒々しさと、脳天釘止めの施工とで互いに打消し合い、表情が同一化することを目論んだ。釘をビスに変え、あえてその荒々しさをデザインとし、頭の大きなもので留めていく。

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