Mハウスの施主をお連れし、Tハウスの見学をしてきた。

同時期の計画だったということと、建坪としては同じような大きさ、仕様もほぼ同程度ということもあって、外観や内部の雰囲気などは、百聞は一見に如かず ということで、実際に見てもらうことにした。

仕上の決定と、計画面積に対する空間の物理的大きさの確認。そして一番伝えたかったことは、面積はあくまでも図面上のものであって、必ずしも空間から与えられるイメージとは別次元のものだということを、体験して欲しいと思った。つまり、空間というのは、物理的面積に支配されないものだということを。

カーテンが不要なしつらえを前提に、吹き抜け空間から視線を上げたその先には、空が広がる大きな窓。明るければ良いというものでは無く、空間に奥行きを与えるために、光と影のバランスを考えたり。部屋があるから、窓を取るということではない。内部からの視線に対し、外部の視線を調整する。またその反対も然り。すべてはバランスを考えながら、注意深く窓の配置を考える。

その結果としての空間であり、そいういう思いで日々設計に取り組んでいる。

※施主のプライバシー保護のため、この記事に写真は掲載しておりません。

投稿者

saruwatari

猿渡 浩孝
建築デザイナー(一級建築士)

1964年大阪府にて出生。
設計事務所に勤めながら独学で建築を学ぶ。建築をもっと知りたいとの思いで1992年、スケッチブックを片手に半年かけて世界旅行に出かける。
結婚を機に、岩手に移住。岩手弁にもそこそこ慣れたが、やっぱり地元大阪の関西弁をこよなく愛す。ウルトラ系のトレイルランニングレースに出るため、ランニングと水泳、時々筋トレで日々鍛錬に励む。