Tハウス現場最終確認

外壁板張りの最終塗装色と、諸々の仕上がりを確認しに現場へ。

不具合箇所は、まったく無く、むしろ施工レベルが高くて唸ることしきり。空間としては非常にシンプルで、その平面構成も特殊にしたつもりはないけど、施工にはかなり手が掛かったと、監督さんには良く言われ実際、予定より約2ヶ月延びた施工期間がそのことを物語っている。

外壁板張りの塗装は、濃い色味の板材に合わせ、画像の塗装見本で決定。

インナーガレージを兼ねたエントランス部の土間コンを打設した後、完了検査の予定。

Mハウス現場確認

Mハウスの状況を確認しに現場へ。

基礎根伐り中のMハウス現場

杭工事を終え、基礎の根伐り施工中の現場。
計画地の周りは田んぼの吹き曝しで、奥羽山脈からの吹き下ろしと、岩手山方向からの風がかなりの勢いで吹き付ける。

居久根の風景

この地域、通常ならイグネと呼ばれる杉林で敷地を囲い、強風から住まいを守っている。その杉林が平野部の水田に点在し、独自の風景を醸し出す。しかし今回の計画は、新たに田んぼを埋め立てた土地のため、その杉林がない。強風から住まいを守るためには何らかの策が必要と思い、イグネの役割を担う防風壁をプランに組み込んだ。奥羽山脈と並行に壁を立て、エントランスアプローチとLDKを風から守る。それが、この建築のアクセントとなり、またアイストップとして機能することを目論んでいる

この先、鉄筋工事にコンクリート工事が控えるが、気温が5度を上回る日はなく、氷点下が続くので、AE剤の使用、ジェットヒーター等の使用で養生の厳密化を図ってもらうよう現場サイドに伝達。とかく住宅の現場は、それらが有耶無耶にされ易く、また見積りは、厳冬期のものではないので、それら費用を見越しておらず、施主に説明しその分の費用捻出等の策が必要だろう。そういった施主と現場との調整役も、設計者は担うことになる。

構造力学講義

2級建築士で扱う静定構造物の力学の講義。今回は、応力について。

3つのつり合い条件式を使って計算するのだが、間違った箇所を後から追えるように、その計算過程をしっかり記述する!と、口角泡を飛ばしながらって、コロナ対策でマスクして喋るので、泡は飛びませんけどね  指導したことが、同じ講義を聞いた他者との比較で、どれだけの違いがあるのかを自覚させるために、2人同時に前に出てもらい、左右に分かれて計算させている。

その場で同じ内容を聴講しているにも関わらず、左と右の受講生が記述した計算過程で、これだけの違いが出る。面倒だから端折るとか、性格の問題とか、そういうことではなく、意識の問題なんだと思う。如何にそのポイントについて意識させるか?それは講師の務めであり、義務である。

本人に直接、こうして、あぁしてと喋ったところで、それを理解できないでいる受講生が実に多いこと。そういう受講生に限って、中々うまく伝わらないのである。伝わらないから、できないでいるのだろうけど。

そこで考えた末の対策として、きちんと出来ている受講生と、喋ってもそれを実践できていない受講生を、左右同時に黒板で問題を解かせることにした(上の画像)

一目瞭然!
これが、大いに効果あり!!理解できていない本人も、教室全員の前でそのことを否応なしに意識せざるを得ない状況に立たせられる。そうやっても、出来ない受講生もいることは確かで。そういう場合は、最後教室に居残りさせて

虎の穴!

での猛特訓が、待っているのである

いよいよ来年から、本講座がスタートする。それまで約一カ月もの時間が空くので、自宅学習の推進も同時に行って今回の講座を終えた。

Tハウス現場

リビング吹抜け照明の位置決めで現場へ。

まだ内部足場が組まれたままの現場。
意外と時間が掛かったクロス工事もようやく終わり、あとは照明、設備機器の取付と、塗装、外構関係を残すのみ。

さて本題。照明用のソケットは、普通の碍子むき出しの物ではなく、木製カバー付きのものをネットで探し、器具指定した。付属の標準コードでは長さが不足する上に、巻き癖のついた硬いビニールコードがヨレて、スッと垂直に垂れてこないことを想定し、布製コードに取替えて欲しいことも併せて伝えておいた。

しかしながら、コードの取り換えを安易に考えていたようで、けっこう無理な注文をしていたらしく、器具の部品形状では、指定のコードが付けられないと判明。現場サイドで色々検討してもらった結果、何とか形になるような策を講じてもらえた。監督さんと電気屋さんには苦労を掛けてしまったようでやはり、ひとりの力では当然だが、現場は中々立ち行かない。図面では納まったように見えても、実際現場では、色んな職人さんの腕に支えられているというのが実情だろう。現場の意見を参考にしながら進められる体制が早期に整っていないと、設計者の意図したものが、独りよがりだったということもあり得る話し。絵画や彫刻といった芸術分野と違い、自分の腕ひとつで表現できる世界ではないからと言えばそうなのだけれど建築は、奥が深い。

照明の高さ方向を決定し、完了検査に向け、法令要素をとりあえず確認しておく。特に24時間換気の吸排気口の位置については、完了検査時に指摘されやすい。申請時と位置が違っていることに気付かなかったりするのだ。

分室に戻り、現場の要所を確認し、気付いた点を監督さんにメールで打診しておく。

時間の経過と共に、かなり意図した色合いに落ち着いてきた板張りの外壁。無機質な金属系サイディングと木の自然な感じの対比が、この住まいの良さとなって欲しいのは勿論だが、木のぬくもりが周囲との調和を担ってくれることも期待している。なので極力木目の印象を残した上で、薄く木材保護着色塗装を施す考えに落ち着く。現場をみるとクリアーをかけて終わりでも良いかと思ったりもするが、最終的には塗装サンプルを見て決めようと思う。

①既製アイランドキッチン
②目隠し壁で囲ったライトコートに水廻りを隣接させる。北側配置の水廻りだが、明るさと解放感を出すための演出。
③バスルームにも、バスコートに向けて絞り込んだ開口がある。バスルームはいわゆる既製のユニットバスのため、極力解放感を演出したかったため、洗面との仕切りはガラスのパーティションにしている。
④約30坪と小さな住まいだが、トップライトやLDKへのアプローチに敢えて廊下を配した。
⑤階段は木の塊というコンセプト(無垢板の仕様だったが、集成材に変更)

Mハウス

Tハウスよりも先に依頼を受けた案件。

しかし、市街化調整区域という特殊な条件のため、開発申請や、農転、更には予算調整等々で実施設計変更も何度か行い、プラン変更の度に構造の見直しで、えらく期間がかかった。設計依頼を受けたのは、去年の6月だったように思う。ファーストプレゼン資料のデータをみると2019/06/07となっているので、現場に入るまで約1年半かかったことになる(汗)

そのMハウスの現場が、ついに始まったのだ!

地鎮祭を終え、造成工事から浄化槽工事、元々田んぼだった敷地なので、地盤改良(杭工事)をし、現在は基礎工事に着手しようとしている段階。プランがちょこちょこ変わるので、柱の位置等に壁量計算書と意匠図との間に不整合か所が見つかり、その調整を行ったところ。

この、修正作業というのが厄介で、固まったプランの変更は、できることならやりたくないのは誰しもだが、要望があればその都度応じることにしている。これ、ハウスメーカーだと、ある期間を過ぎれば、絶対聞き入れてくれない。こういうところ、設計事務所ならではの融通性と言えるだろう。更に言えば

サルワタリ・アトリエ では、特にその辺り意識して設計してます!

建て主との対話がすべてを決める。建築家の意思は10%も出せれば良い方じゃないかと昔、著名な建築家が言ってたことを思い出す。

ともあれ、Mハウス現場が動き出した。

講義準備

今週末(12/6)行う講義の最終準備。

2級建築士の構造力学計算問題は、基本的に静定構造物を対象とするため、基本を理解さえすれば誰でも計算できるようになる。ただし、計算そのものにとらわれてしまっていては、意味を成さない。せっかく力学を学習するわけだから、

何の為に?どのような仕組みで?

くらいのことは、2級建築士を志す者としては理解して欲しいし、それを理解できていれば実務でも多少なりとも役に立つ。さらに計算の意味について理解が深まれば、苦手意識を払拭できる!力学計算なんて朝飯前の、屁のカッパ!ってな具合で。

屁のカッパ?

って、どーゆー意味?カッパが屁をこく?ん??
って、そこかあぁ~ぃ!

あ、そぅそぅ
昨日、令和2年度の2級建築士の合格発表があったけど、今年の合格率はどうなんだろ?製図試験は例年のような、サプライズ的なヒネリとか何もなく、ごく平凡な内容だった。誰しもが最後まで図面を描き上げたんだと容易く想像できる。その中で、合格と不合格の差なんて、ビミョ~な僅差だったりすんじゃないかと。

と、思っていたが、なんと!
ランクⅠとランクⅡとの差は大きく、実はランクⅢとの差に開きがなかった。つまり、僅差で落ちた人は少なく、むしろ、2級建築士としてはあかんやろ~!と、確実に試験元からダメ出しされたということ。
ランクⅠ:53.1%、ランクⅡ:6.9%、ランクⅢ:32.6%、ランクⅣ:7.4%(ランクⅠのみ合格)

ちなみに、岩手県の合格者は59人/全国の合格者5,979人(製図受験者数11,253人)

今年の合格者のタイプを振り返ってみると、合格者は当然出席、宿題提出率ともに高いのは勿論だが、何が合否を分けたかと一言でいえば

素直さ!

これに尽きるんじゃないだろうか。
講師の指導を素直に聞き入れない。つまり、自分の(少ない経験)フィルターを通して物事を判断してしまう。あるいは、本人としては故意ではないんだけれど的外れなことをしてる人(いわゆる、やらかす人。性格の問題も多分に含むのでそれを直すというのは難しい)いかに真っ白な状態で、講義に臨むか?物事の吸収においての素直さと、それを素直に実践する気持ち。その過程で自分のオリジナルはなるべく排除する。要は資格取得のためには、パソコンみたいな機械になり切る!という前提が無いと、自分の考えだけでは中々取得できない国家資格といえるのではないだろうか。

何はともあれ、合格者の皆さん

おめでと~!!

上にスクロール