中大規模木造建築の構造を中心とした設計講座を、一昨日受講してきた。
構造の中でも木造は特殊で、構造を生業としている構造設計者でも、住宅系の小規模建築以外の木構造に関しては得意不得意があり、それくらいRC造やS造とは一線を引く独特な構造形式でもある。
とは言っても、大規模建築で法規的にも不利な木造をわざわざ選択するという機会は滅多にない。あえて意匠的な側面で木造にする、という意図を持たない限りはコンクリートか鉄骨が普通である。意匠的な意図があったとしても、主構造は鉄骨等で、仕上に木を使うということの方が合理的で、法的にも、建築物そのものの安全上の意味においても理に適っている。
では何故?受講したかと言うと、建築設計以外に、建築士資格試験の学科構造講師も務めていて、構造分野という広義の意味においての学習を意図したもの。そんなことがない限り、先ほどの工法的合理性を考えたときに小規模建築以外の建物に、木造を選択するということはない。つまり、受講はしなかったろうと思う。
今回のテーマは木構造だったが、講座や講演そのものの受講という意味においては、我々設計者は職能技術者としての資質や倫理観向上の上では、必要不可欠なものといえるだろう。