世界一周の旅(武漢~重慶2)

27mar1992(fri)くもりのち雨
上海から長江を船で移動。

当時の中国は、まだまだ発展途上にあり、日本の感覚でいうと、20年くらいのズレはあったんだろうと思う。無茶苦茶ダッサイ服装に加え(中にはまだ人民服の人もいるくらいだった)現代における社会通念としての根本的常識がまるで日本とは違っていた。生きるということに貪欲であり、それゆえか、なりふり構わない振る舞いには腹立たしささえ感じる。その一方で、もしかすると自身が忘れていた、あるがままの人間らしさというものを呼び起こしてくれるような気もする。そういう気分にさせられる不思議な感覚を、少なからずいまでも中国に感じる。高度成長と共に北京オリンピック以降、街は洗練され、人々の感覚は徐々に希薄となり、現代的になってきているのは事実だが…

中国(上海、北京)には2008年にも行っており(目的は、客家円楼<福建土楼>を見るため)ギトギトした人間の生き様が如実に現れたりする裏路地(胡同)をあえて徘徊する。道端で練炭を起こし、もうもうと湯気をたぎらせ、夕餉の準備をする人たち。その風景をカメラに収めようとすると「ちょっとアンタたち、なにカメラ向けてんのよ!しっしっ!!」と、露骨に大声で追い払われたり。街灯もまばらな、暗く細い路地の怪しげな雰囲気にドキドキ興奮したり。そういう風景がたまらなく好きだったりする。かつての幼いころの日本の風景を彷彿とさせてくれているような。

そんなある意味、素朴(ピュア)であろう同室の中国人たちと仲良くなったまでは良かったが、筆談攻めには参った。そろそろ就寝時間だろ!っていうのに、寝かせてくれない。大体が喋り出したら、止まらない猪突猛進人種。
当時の日記をみると…

28mar1992(sat)晴時々くもり
夕方頃から寒気がする。どうやら風邪をひいたらしい。鼻も詰まる。熱いシャワーを浴び、晩メシ食って早々に寝ようとしたが、またしても筆談の渦中に…結局、寝たのは23:00を過ぎていたと思う。

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