構造Ⅲ重要項目強化講座

2級建築士学科試験の構造Ⅲで平成30年に、いきなり~!断面力図が出題された。過去問題を平成元年にまで遡ってみると、平成1、2、4、8、11年と出題されていたが、その後平成30年までの約20年間、まったく出ていなかった。いや、出されていたかも知れないが、いまは調べる手立てがない。

これには、当時の受験者の殆どが戸惑ったに違いない。本来、力学計算は、断面力図と共に理解しておかないとイケナイはずなのだが、すっかり断面力図が抜け落ちた学習になっていたのだ。単純ばりのせん断力図、曲げモーメント図に関しては、応力度計算の範囲で一応、基本形は学習する機会はあっても、静定ラーメンの断面力図にまでは触れていなかった。

平成30年に、この断面力図問題が出されてからは、 応力の判断のみで計算なしでも解ける問題に力を入れた講義内容とした。

断面力図を柱とした特別講義を明日おこなう。講義の内容以外にも、過去の問題を網羅し、さらにはオリジナル問題を準備しておく。問題をどんどん解かせて、見たことのない問題でも、落ち着いて解けるように、適応力をつけさせようと思っている。

ロープレ

ロール・プレイング、いわゆる役割演技。
…イヤな響き。

今週末、建築士資格講座学校の講師研修があり、そこで実施しなければならない。と言っても、今回は指導講師の立場なので、自分は実施しなくて済む(ホッ)けど、いつもは実演し、助けてぇ~!状態の自分が居て💦

良い点、真似したい点よりも、改善指摘事項の方が多く、いつも気持ちが凹んでしまう。そういう自分に前向きになれず、毎回ロープレ葛藤が始まる。

ワ~ィ!実演しなくて済む~!
と素直に喜べない。なんせ今回のまとめ役を司ってるので、気は抜けない。というか、いつもよりプレッシャー。

そもそもロープレって何?
建築設計事務所の主催者としては、ソンなものには縁遠く、講師業を引き受けた時点でいきなりやらせられ、こういうのに慣れてないので、ええトシこいたおっちゃんが、しどろもどろになる。学科の他に、製図もあるので年に少なくとも2回はやらないといけないので、も~ぅ大変!まさに、いつもの自分より誇大表現的な演技をしないといけない訳だから、舞台俳優になりきったつもりでやらないとアカンのよ。しかし、やる前から気持ちが凹んでるので、上手くいくはずがない(笑)

そう、まさにソコやん!
うまくいくためには、ロープレそのものの意図を知らないとイケナイ。
演技するため、今回は演技してもらうために、進行役として自分なりの方策を考えないとイケナイんだろうなぁ…ということにたどり着き、ちょっと調べてみた。 研修、明日なんだけどねぇ💦

・・・

自分が受け持つ実際の講義に関しては、吉本新喜劇風に楽しくできないかと模索中(笑)

木造建築(構造)設計養成講座

中大規模木造建築の構造を中心とした設計講座を、一昨日受講してきた。

構造の中でも木造は特殊で、構造を生業としている構造設計者でも、住宅系の小規模建築以外の木構造に関しては得意不得意があり、それくらいRC造やS造とは一線を引く独特な構造形式でもある。

とは言っても、大規模建築で法規的にも不利な木造をわざわざ選択するという機会は滅多にない。あえて意匠的な側面で木造にする、という意図を持たない限りはコンクリートか鉄骨が普通である。意匠的な意図があったとしても、主構造は鉄骨等で、仕上に木を使うということの方が合理的で、法的にも、建築物そのものの安全上の意味においても理に適っている。

では何故?受講したかと言うと、建築設計以外に、建築士資格試験の学科構造講師も務めていて、構造分野という広義の意味においての学習を意図したもの。そんなことがない限り、先ほどの工法的合理性を考えたときに小規模建築以外の建物に、木造を選択するということはない。つまり、受講はしなかったろうと思う。

今回のテーマは木構造だったが、講座や講演そのものの受講という意味においては、我々設計者は職能技術者としての資質や倫理観向上の上では、必要不可欠なものといえるだろう。

静定構造物の応力

今週末の講義に向けて、その準備。
前回は、反力計算。本試験で反力計算のみの出題は、4、5年前から無くなり、応力を解く過程での反力計算という扱いに代わってきている。今回は、単純ばりと単純ばり系ラーメン(いずれも静定構造物)の応力計算についての学習。

講義準備(応力計算)

近年、曲げモーメント図が出題されるようになったこともあり、今年からは、断面力図も同時に理解できるような講義内容で準備を整えてみた。と同時に、前回講義の復習として反力計算ミニテストも準備しておく。

来年7月の2級建築士本試験に向けて、構造の予備講義は先週から始まっているが、この年末年始の長期休暇が取れる時期に、自宅学習をどれだけ頑張れたかで、その差は大きく開くと考えている。力学は先手必勝!苦手だからと後回しにしていると、最後に痛い目に合う。そういう受講生を沢山見てきているので、そうならないように、短期(開講まで)、中期(模擬試験1まで)、長期(本試験まで)と、スケジュールを立てさせて、計画的に学習するような指導にも努めるようにしている。

講義準備

先週実施したテストを踏まえ、出席者の理解度確認はもとより、欠席者の予復習実施状況を把握するために、今週末の講義開始前に実施する構造力学ミニテストを作成してみた。平成7年度本試験の反力計算問題から1問と、静定構造物の力のつり合いについての理解状況確認のための問題と、2問用意。

令和2年度建築士資格講義始まる

明日から、令和2年度の二級建築士資格講座が開校される。
学科と製図の講義を受け持つが、学科は構造Ⅲを担当。

明日は、開校ガイダンス。その中で、受講生の実力を見極めるテストがあり、構造パートの解説をすることになっている。そのための準備。

こんな感じで、講義の流れをイラスト化し、当日板書や口頭説明、あるいは実際に受講生にやってもらい感じてもらう。特に力学は、見えない力の流れをいかにイメージできるか?というところに重点を置いている。

どう教えれば理解してくれるか?
という視点だと講師目線になりがち。そうではなく、自分が受講生の立場として、「こんな感じで教えてくれれば理解し易いんだけどなぁ」という受講生目線を常に意識して、講義準備をしている。

静定構造物の反力の求め方のポイント

ボク自身は20代前半から現在までの約30年間、ずっと意匠設計畑を歩んできていて、一級建築士の資格を持ってはいるが、いわゆる構造設計者ではない。一級を取るのに、実務2年で二級建築士を取得し、さらに実務4年を経て一級建築士の受験資格を得た。その際の試験勉強でも、構造が一番の苦手だった。特に力学は不得意中の不得意分野(汗)だから、構造の講義を担当した初年度は、かなり苦労した経験がある。その時の苦労を考えてみると、受講生の心境以上のプレッシャーを感じながら、講義の準備をしていたことが、いまだ新しい記憶として残っている。つまりその時の状況は、まるっと、受講生の立場だったと言い換えられるんじゃないかと。まさにその時の自分の学習方法を元に講義準備を行っている。さらに、ひとつのことを教えるのに、多方向からのアプローチとして、最近のネット情報や、過去10年以上前の問題集の研究等々をやっている。なので、結構時間を要してしまう。然るに、そこにはやっぱり要領の良い講義準備というものは存在しないと感じている。

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