言葉悪くいえば、去年惜しくも製図試験に落ちた人たちの先行講義。
今年学科から受講の人たちは、7月第一日曜に学科試験。その学科合格発表の8月下旬を待って…
となると、製図本試験は9月第二日曜だから、学科合格発表から学習しても全く間に合わないので、合格基準点に達した受講生は、見切り発車で学科試験直後の翌週(7月第二日曜)から、製図講座が始まる。
先行講座の受講生は、5か月も先行して製図の学習を始めることになる。そいう設定だから、学科からの受験生から比べると相当出来が良くなる筈なんだけどねぇ。でもこれが、本試験1か月前くらいになると、レベルが殆ど変わらなくなる。ヘタすると、後から学習した受講生が上回るってことが起こる。
え?なんで?
って、思うけど。そこが製図試験の難しいところでもある。学科は正答がひとつ限りだから、そこへ向かって学習すれば、自ずと道は誰にでも開ける。しかし、製図は十人十色。全員違うプランでも、ゾーニング、出題に対しての適切な判断、要求された内容がそつなく漏れの無い図面を描けていれば正答なのだ。あとは、採点官次第というのも有るけど(採点官の感情に触れる図面は、落とされ易いと聞いたことがある)
この製図試験こそ、建築士としての判断力や、更にはセンスが問われることになる。この2か月間という短期決戦で、かなりのヴォリュームの内容に臨むには、センスの良し悪しが相当関与する。その中でも特筆すべきは、美しい図面が描けるか否かにかかっている。美しい図面は基準点には含まれないと思うけど、採点官も人の子。美しい図面と汚い図面、どちらかを選択しなければならない状況に立たされれば、同じプランであれば、美しい図面を採択するだろう。決して美しさは、採点基準の本流にはないが、そういう判断もあるのだと思う。要は、先に書いた試験管の感情に触れる図面、汚い、見辛い、何を言わんとしてるのか分からない図面…そういうのは、やはり建築士としての表現力に欠けると判断されて然るべきと、少なくとも自分はそう思って指導に当たっている。自分が試験管であれば、そういう判断も無きにしも非ず。表現力という観点から言えば、やっぱり綺麗な美しい図面から、採択するだろう。
ま、要は試験に受かりさえすれば講師としての務めは、ほぼほぼOKなんだけど、でも今言った観点で、指導を行おうと思う。受講生の資格取得理由がどうであれ、クライアントを納得させ、その気にさせるエネルギーを養い、圧倒的な表現力を身に付けさせるところまで拘って指導したいと思っている。
・建築士としての適切な判断力
・建築士としての圧倒的な表現力(図面の美しさ等含む)