スケッチ

盛岡市の某住宅のためのスケッチ。

この時は…というか、いつもそうだけど、外部との関係を真っ先に考えることにしている。ひとつ目は、クラスター状に各ヴォリュームを配し、それが外部におけるの建物の見え方や、クラスター状に配置したことによる多方向からの風景が内部に導かれる。様々な角度や視点の違いによる内部空間への影響等を考えながらスケッチ。2つ目は、内部空間、庭、内部空間と並列に配置し、純粋に庭との関係性をシンプルに考えた案。

この計画案も同様。
この計画地に対しての外部空間のスタディ。

やはりどれも外部との関係性が計画の出発点というのは、昔も今も変わらない。

木造建築(構造)設計養成講座

中大規模木造建築の構造を中心とした設計講座を、一昨日受講してきた。

構造の中でも木造は特殊で、構造を生業としている構造設計者でも、住宅系の小規模建築以外の木構造に関しては得意不得意があり、それくらいRC造やS造とは一線を引く独特な構造形式でもある。

とは言っても、大規模建築で法規的にも不利な木造をわざわざ選択するという機会は滅多にない。あえて意匠的な側面で木造にする、という意図を持たない限りはコンクリートか鉄骨が普通である。意匠的な意図があったとしても、主構造は鉄骨等で、仕上に木を使うということの方が合理的で、法的にも、建築物そのものの安全上の意味においても理に適っている。

では何故?受講したかと言うと、建築設計以外に、建築士資格試験の学科構造講師も務めていて、構造分野という広義の意味においての学習を意図したもの。そんなことがない限り、先ほどの工法的合理性を考えたときに小規模建築以外の建物に、木造を選択するということはない。つまり、受講はしなかったろうと思う。

今回のテーマは木構造だったが、講座や講演そのものの受講という意味においては、我々設計者は職能技術者としての資質や倫理観向上の上では、必要不可欠なものといえるだろう。

開口部の検討

基本設計や初期のコンセプトに基づき、概ね決めていた開口部について再度、詳細に検討しているところ。居室があるから窓を設けるという発想ではなく、光や風の入り方、外部との関係性を方位や時系列に配慮しつつ、スケッチや図面、さらには模型を作りながら立体で考え、最終決定する。

光というのは、闇、影との相互関係にある。影があるからこそ、光の意味合いを肌で感じられるのだと思い設計している。設計者自らの経験値に基づく感覚的な側面もあり、中々単純にはいかず、かなり神経を使う部分でもある。

設計の要は、平面計画も当然大事だが、断面構成や開口の扱いであると思っている。開口の扱いひとつで、同じ空間でも意味が全く違うものになるものである。

構造の検証

ファーストプレゼン後、基本設計の初期段階において概略検討していた壁量計算、耐力壁の配置バランス(4分割法と偏心率)及び接合部について、プランが固まったので、詳細に検証する作業。

一応、耐震等級3を目指してみた。今回、構造用合板での耐震壁ではないので、靭性に欠けるところもあり、それを強度でカバーしようという考え。開口部を想定する部分を除いた壁について検討し、重心と剛芯が丁度重なるようにバランスを考えて。結果、殆ど耐震壁だけど…耐震等級3だと、やっぱりこうなってしまうのよねぇ。仕方ないか。

ようやく実施設計に

予算調整のために結構な時間を要した基本設計も終わり、実施設計へ突入した。

基本になる断面方向の高さ寸法を最終決定し、ファーストプレゼン時に出したファサードイメージやプロポーション、見え方等々…検証を行いつつ、矩計を描く作業。

設計打合せ

昨夜、建築費の減額案について打合せをおこなった。クライアントの要望を加味したプランで、これ以上の建築工事減額は不可能という、最終段階のギリギリのところまで詰めた結果での話しである。

打合せメモ

ようやく予算と要望の折り合い点に達した感じで、最後の調整を残し次回の打合せとした。住宅の基本設計で、これだけ期間(ほぼ半年)を要した計画はいままでになかったので、ホッとひと息つけた感じがする。次回打合せでGOが出れば、実施設計に移るが、まだまだ気は抜けない。ここからが設計本番!

さて、最終調整のための図面を描いて見積りという流れで次回打合せを控える。

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