令和3年二級建築士設計製図課題分析その3

受講生の本試験結果(復元図)は、以下の2通りに分かれた。
1)北側隣地境界(GL+500)を基準にFL設定(1FL+500)
2)南側前面道路(GL±0)を基準にFL設定(普段の学習通りの断面)
※プランについては単純な要求だったので、プランでランク2以下の受講生はいなかった。

以上から断面、つまり軒高9m、最高の高さ10mの指定について、斜面に対し、どのように対処すべきかを判断できた受験生が、一歩合格に近づいた(上記後者)と言えるのではないだろうか。まぁ事はそう単純なものでは無いが、試験の解答という意味においては、グレーゾーンは無いと考えて良い。

そもそも南側前面道路に駐車スペース2台、駐輪スペース、更に住宅と診療所用のアプローチとスロープを建物を計画した残りの前面道路部分の空地に設けると、それ以外の要素を取るスペースがない。結果的に、1階床高全てをGL+500(北側隣地レベル)に設定してしまうと、診療所用のスロープ(1/15)は取れない。計算すると、500×15=7,500mm。7.5mものスロープは物理的に、絶対取れない筈。

ここで、診療所FLをGL+500にすることは計画に矛盾が生じることになる。その事をエスキス時に気付けたか否かで、明暗が分かれることになる。いや、殆どの受講生は気付いていた筈である。しかし、試験の制限時間内でどう対応したら良いのか分からなくなってしまった。時間ばかりが悪戯に過ぎていき、とにかく図面を仕上げるのが先決で描き上げることで精一杯だった。と、ヒアリングの際、殆どの受講生が口にしていた。

試験元から解答例はまだ示されていないが、これまでの考察から一応の結論としては、やはり前回示した解答例が無難だったと言えるのではないだろうか。

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