令和3年二級建築士設計製図その2

自分だったらこう対応したであろう、一応の解答を示しておく。
今回の課題、極論すれば2、3階のプランは見せかけで、傾斜地に対する配置と外部条件をどのように計画し、建物高さ制限においてどう対応するかを問われたのだと、そう読み取った上で、次のように考えてみた。
※課題の趣旨を汲み取り地盤面は切り盛り土を極力行わない計画とした
※傾斜地盤に対してのFLレベルと建物断面計画について示す

それとやはり今回の製図試験における考えを整理し、まとめておく。
1)歯科診療所の用途上の特性とは何ら無関係の課題だった(建物用途は何でも良かった)※歯科診療所の専門性を問われた内容ではなかったと言える。
2)学科合格発表から僅か2か月間の学習で問う内容の吟味が必要※二級建築士を受験する人たちは一級と違い、建築専門職ではない場合もある。また昨今のCAD化による、手描き作図とは無縁の業務形態が主流であることを加味すべき。(作図を複雑化するべきではない)
3)年々難化する学科試験を踏まえると、製図試験においてはもっとシンプルに基本を問う内容で良いのではないか?社会の流れに同調させるため、ある程度の学科の難化は、仕方が無いと思っている。
4)試験制度の緩和見直しで建築士法の改正を行ってまだ日が浅いにも関わらず、何を求めているのかが全く読めない課題内容だった。※今回の試験でランクⅠを真っ当にとれる受験生がどの位居るのかが疑問。調整で、約5割の合格者を数字の辻褄合わせで選ぶことは、容易に見て取れる。ランクⅡのレベルの受験生が、合格することは十分に考えられる。それが果たして良いのかどうか?むしろ、ランクⅠの受験生を7~8割出せる内容にし、その中から精鋭を選出して合格とすべきじゃないか?

とは書いてみたものの、試験元の方針に沿う形で受講生には指導していくしかない。若い世代が不足している状況を鑑み、受験資格要件を見直した割には、どこを目指しているのだろう?という疑問が頭をもたげてしまうような、今年の設計製図課題だった。

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