世界一周の旅(西双版納5日目)

11apr1992(sat)晴れ

7:00起床

昨日、中国ビザの延長申請を済ませ、即日発行して貰った。
今日は少し足を伸ばし、大勐罕(ダーモンロン)へ行くことにした。

なぜそこへ行こうと思ったかは、当時の日記には記されて無かった。スケッチを見返したりネットで調べてみたりすると、景洪市郊外の墓廟(曼飛龍白塔)が有名で、漢民族がはびこる中国にあって、少数民族の集落が点在する珍しい地域ということらしく、それで興味を引いたのだろうと思う。集落を見て歩くことも、今回の旅のテーマである。

オンボロミニバスで片道60kmの道のりだが、未舗装で超悪路の連続。まともに座ってられず、体力と精神力を削られるのはいつものこと。これが普通と思えてしまうから、慣れというのは恐ろしい

集落にはこのような高床式の住居が建ち並び、独特の風景を形成する。人々は床上の空間で生活し、床下の空間は、物置や家畜の飼育場所になっている。

構造を竹で、屋根を茅で葺くこの形式が、昔ながらの住居。文字通り「竹楼」というらしいが、この当時の時点で、構造材に竹を使わなくなっている。

ホテルに戻り、近くの食堂で夕食。
ちょっと頼み過ぎた..

西双版納6日目へつづく..

出費:バス代(片道)5.7元、宿泊代10元、朝食(米線)0.5元、昼食(豚とピーマン炒め、米飯、啤酒)6元

令和3年二級建築士設計製図課題分析その3

受講生の本試験結果(復元図)は、以下の2通りに分かれた。
1)北側隣地境界(GL+500)を基準にFL設定(1FL+500)
2)南側前面道路(GL±0)を基準にFL設定(普段の学習通りの断面)
※プランについては単純な要求だったので、プランでランク2以下の受講生はいなかった。

以上から断面、つまり軒高9m、最高の高さ10mの指定について、斜面に対し、どのように対処すべきかを判断できた受験生が、一歩合格に近づいた(上記後者)と言えるのではないだろうか。まぁ事はそう単純なものでは無いが、試験の解答という意味においては、グレーゾーンは無いと考えて良い。

そもそも南側前面道路に駐車スペース2台、駐輪スペース、更に住宅と診療所用のアプローチとスロープを建物を計画した残りの前面道路部分の空地に設けると、それ以外の要素を取るスペースがない。結果的に、1階床高全てをGL+500(北側隣地レベル)に設定してしまうと、診療所用のスロープ(1/15)は取れない。計算すると、500×15=7,500mm。7.5mものスロープは物理的に、絶対取れない筈。

ここで、診療所FLをGL+500にすることは計画に矛盾が生じることになる。その事をエスキス時に気付けたか否かで、明暗が分かれることになる。いや、殆どの受講生は気付いていた筈である。しかし、試験の制限時間内でどう対応したら良いのか分からなくなってしまった。時間ばかりが悪戯に過ぎていき、とにかく図面を仕上げるのが先決で描き上げることで精一杯だった。と、ヒアリングの際、殆どの受講生が口にしていた。

試験元から解答例はまだ示されていないが、これまでの考察から一応の結論としては、やはり前回示した解答例が無難だったと言えるのではないだろうか。

世界一周の旅(西双版納4日目)

10apr1992(fri)晴れ

朝6時起床。

メコン川の河原まで散歩に行く。朝もやに包まれ、昇りはじめた太陽にキラキラ輝くメコン川がとても美しかった。

昨日カゼをひいたのか熱があったので、今日はゆっくり過ごすことにし、まずは今後の予定を立ててみる。明後日行われる、水かけ祭りを見物した後、昆明に戻りそこを拠点として、大理、麗江、石林を周るという予定が、今回の中国での日程を最大限引き延ばした内容だ。

中国での予想もつかない日程の浪費で、インドへ陸路での国境越えは、その後のヨーロッパ、アメリカの滞在に加え、日本へ帰国する日を逆算して考えると、日数的にかなり難しい状況に陥ってしまったのだ。残念だが、中国北方地域は又の機会に委ねることとし、中国での観光Visaがそろそろ切れそうだったので、更新に公安(警察署)に行く。

確か延長は2週間までで、それ以上の滞在は、いったん中国を出て、国外で再度Visa申請しなければならなかったと記憶する。他の国を周るスケジュールを考えると、帰国日までの余裕がないので、ギリギリ2週間の延長を申請。延長申請料25元。人民幣(RMP)を出すが、FECでしか受け付けないと言われる。

兌換券(FEC=Foreign Exchange Certificate)※Wikipedia へ

つづく…

Sハウスイメージ

自然素材で仕上げを構成することは以前書いた。

周囲を囲いとった外壁は土を使い荒々しさを表現。
中心の家屋部分は板張をイメージしてみた。

当然、メンテナンスの事も考えておかなければならないが、経年変化に馴染んでいくというか、仕上げの風合いが増し、それが建物の味になるようなことを考えてみたい。

令和3年二級建築士設計製図その2

自分だったらこう対応したであろう、一応の解答を示しておく。
今回の課題、極論すれば2、3階のプランは見せかけで、傾斜地に対する配置と外部条件をどのように計画し、建物高さ制限においてどう対応するかを問われたのだと、そう読み取った上で、次のように考えてみた。
※課題の趣旨を汲み取り地盤面は切り盛り土を極力行わない計画とした
※傾斜地盤に対してのFLレベルと建物断面計画について示す

それとやはり今回の製図試験における考えを整理し、まとめておく。
1)歯科診療所の用途上の特性とは何ら無関係の課題だった(建物用途は何でも良かった)※歯科診療所の専門性を問われた内容ではなかったと言える。
2)学科合格発表から僅か2か月間の学習で問う内容の吟味が必要※二級建築士を受験する人たちは一級と違い、建築専門職ではない場合もある。また昨今のCAD化による、手描き作図とは無縁の業務形態が主流であることを加味すべき。(作図を複雑化するべきではない)
3)年々難化する学科試験を踏まえると、製図試験においてはもっとシンプルに基本を問う内容で良いのではないか?社会の流れに同調させるため、ある程度の学科の難化は、仕方が無いと思っている。
4)試験制度の緩和見直しで建築士法の改正を行ってまだ日が浅いにも関わらず、何を求めているのかが全く読めない課題内容だった。※今回の試験でランクⅠを真っ当にとれる受験生がどの位居るのかが疑問。調整で、約5割の合格者を数字の辻褄合わせで選ぶことは、容易に見て取れる。ランクⅡのレベルの受験生が、合格することは十分に考えられる。それが果たして良いのかどうか?むしろ、ランクⅠの受験生を7~8割出せる内容にし、その中から精鋭を選出して合格とすべきじゃないか?

とは書いてみたものの、試験元の方針に沿う形で受講生には指導していくしかない。若い世代が不足している状況を鑑み、受験資格要件を見直した割には、どこを目指しているのだろう?という疑問が頭をもたげてしまうような、今年の設計製図課題だった。

令和3年二級建築士設計製図

今年の学科試験終了直後から製図講義を実施してきた訳だが、昨日、本試験が行われ予想だにしなかったサプライズ!に、受験生全員が戸惑った。間違いなくほぼ全国の受験生全員が戸惑ったと思う。

そのサプライズとは「傾斜地」に計画するというもの。

課題を見ると、南側前面道路境界線を起点に、北側隣地境界まで緩い上り勾配(1/40)がついており、敷地全体を切り盛り土をしてはならない、とある。試験終了後に復元図面を描くためにS学院盛岡校に集合した受講生全員が、蒼白な面持ちで製図板に向かって復元図を描いていた。

去年は、何のサプライズもなく(バルコニーを要求されただけ)素直な課題だっただけに、今年は真逆な課題。これを受け、とっさに次のことが頭に浮かんだ。

1)平均地盤面算定の要不要
2)最高の高さ10m以下、軒高9m以下に対する高さの逸脱
3)外構計画(切り盛り土の必要性)

プランのことより、まず先に上記3点を解決しておかないとプランに入れない。この点が正に今回の課題のキモであることは明白。

plan

これらポイントを元に、復元図面会場で、サクッと考えてみた。
敷地の外構部分において、大きな切り盛り土は行わず、素直に傾斜に合わせてフロアレベルを変えてみるというもの。

住宅コア部分の床をGL+500、診療所床をGL+200にかさ上げし、敷地の傾斜に対応するという案。そうすれば、躯体はいつもどおりの断面高さで、床高を上げた分、天井高さで調整すれば指定の軒高に抵触しないで描ける。(こういう対応も、わずか2か月で培えるかというと無理があって、よほどの設計センスが無いと思いつかないと思われる)
GLの設定はあくまでも前面道路を起点とする※課題文に道路境界をGL±0とすると明記(平均地盤については特記されていないので無視した。そもそもこの短時間での計算には無理がある)

要求室に関しては、至って素直。課題文通りにいつもの学習内容で納めて行けば、無理なく納まる。2階のバルコニーの要求だが、この部分を部分詳細図で要求されている。普通に計画すれば、1階屋上にルーフバルコニーとして計画することになるが、これまでの学習で、ルーフバルコニーの部詳を描いたことがないため、適応力のある受講生は、LDK東側に持ち出しのバルコニーで対応するという名案もあった。いずれにせよ、手摺壁とサッシのダブル要求なので、省略記号を用い両方描くことになる。ここも、応用力、対応力が要求された。

今年の課題を鑑み、少しまとめ(試験元への皮肉)を書いてみる。
・歯科医院併用って、どうでも良くね?(どんな用途の課題でも良かったんじゃないか)
そもそも学科受験後から製図受験の2か月の学習で、そこまでの応用力を試す試験が必要なのか?
・部分詳細図に至っては、バルコニーと開口部のダブル要求。3時間の中での作図限界時間に対しての配慮が不足している。

今年の課題を作成した試験元を、まぢ問い詰めたい!ちゃぶ台ひっくり返すぞ〜

で、今年ランクIの受験生が何人いるのか?建築士資格制度を緩和したために、約5割の合格者を出すための調整は必至だろう。コレって、試験の意味あんの?最もベーシックな課題で基本を問い、2級建築士としての良識を判断する土俵で戦わせるというのが、本来の筋ではないかと、疑問を投げかけたい。2級建築士制度の意味を今一度、再考するべきだと思う。

そもそも2年前の建築士制度、試験制度の緩和見直しはなんだったのか?疑問がぐわんぐわん頭を駆け巡る。なんとも歯痒い今年の設計製図試験だったのではないだろうか。

しかし最後までくじけずに図面を描き上げた今年の受験生の皆さんへ
ホント、お疲れサマでした~!!

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