先週、成人の日。
晴れて建築士となった受講生の合格祝賀会に行ってきた。
祝賀会当日、学院から念押しの連絡…
締めの挨拶もお願いしますね。って??
を〜ぃ!!
締めの挨拶なんて聞いてないぞ…と。汗
適当に喋って、三本締めで締め括り、なんとかその場をしのいだ。
講義とは違い、こういう改まった場で喋る時の妙なプレッシャーときたら…毎度のことながら避けて通れないものかと、問い詰めたい。
誰にだ?笑
建築士製図
先週、成人の日。
晴れて建築士となった受講生の合格祝賀会に行ってきた。
祝賀会当日、学院から念押しの連絡…
締めの挨拶もお願いしますね。って??
を〜ぃ!!
締めの挨拶なんて聞いてないぞ…と。汗
適当に喋って、三本締めで締め括り、なんとかその場をしのいだ。
講義とは違い、こういう改まった場で喋る時の妙なプレッシャーときたら…毎度のことながら避けて通れないものかと、問い詰めたい。
誰にだ?笑
受講生の本試験結果(復元図)は、以下の2通りに分かれた。
1)北側隣地境界(GL+500)を基準にFL設定(1FL+500)
2)南側前面道路(GL±0)を基準にFL設定(普段の学習通りの断面)
※プランについては単純な要求だったので、プランでランク2以下の受講生はいなかった。
以上から断面、つまり軒高9m、最高の高さ10mの指定について、斜面に対し、どのように対処すべきかを判断できた受験生が、一歩合格に近づいた(上記後者)と言えるのではないだろうか。まぁ事はそう単純なものでは無いが、試験の解答という意味においては、グレーゾーンは無いと考えて良い。
そもそも南側前面道路に駐車スペース2台、駐輪スペース、更に住宅と診療所用のアプローチとスロープを建物を計画した残りの前面道路部分の空地に設けると、それ以外の要素を取るスペースがない。結果的に、1階床高全てをGL+500(北側隣地レベル)に設定してしまうと、診療所用のスロープ(1/15)は取れない。計算すると、500×15=7,500mm。7.5mものスロープは物理的に、絶対取れない筈。
ここで、診療所FLをGL+500にすることは計画に矛盾が生じることになる。その事をエスキス時に気付けたか否かで、明暗が分かれることになる。いや、殆どの受講生は気付いていた筈である。しかし、試験の制限時間内でどう対応したら良いのか分からなくなってしまった。時間ばかりが悪戯に過ぎていき、とにかく図面を仕上げるのが先決で描き上げることで精一杯だった。と、ヒアリングの際、殆どの受講生が口にしていた。
試験元から解答例はまだ示されていないが、これまでの考察から一応の結論としては、やはり前回示した解答例が無難だったと言えるのではないだろうか。
自分だったらこう対応したであろう、一応の解答を示しておく。
今回の課題、極論すれば2、3階のプランは見せかけで、傾斜地に対する配置と外部条件をどのように計画し、建物高さ制限においてどう対応するかを問われたのだと、そう読み取った上で、次のように考えてみた。
※課題の趣旨を汲み取り地盤面は切り盛り土を極力行わない計画とした
※傾斜地盤に対してのFLレベルと建物断面計画について示す
それとやはり今回の製図試験における考えを整理し、まとめておく。
1)歯科診療所の用途上の特性とは何ら無関係の課題だった(建物用途は何でも良かった)※歯科診療所の専門性を問われた内容ではなかったと言える。
2)学科合格発表から僅か2か月間の学習で問う内容の吟味が必要※二級建築士を受験する人たちは一級と違い、建築専門職ではない場合もある。また昨今のCAD化による、手描き作図とは無縁の業務形態が主流であることを加味すべき。(作図を複雑化するべきではない)
3)年々難化する学科試験を踏まえると、製図試験においてはもっとシンプルに基本を問う内容で良いのではないか?社会の流れに同調させるため、ある程度の学科の難化は、仕方が無いと思っている。
4)試験制度の緩和見直しで建築士法の改正を行ってまだ日が浅いにも関わらず、何を求めているのかが全く読めない課題内容だった。※今回の試験でランクⅠを真っ当にとれる受験生がどの位居るのかが疑問。調整で、約5割の合格者を数字の辻褄合わせで選ぶことは、容易に見て取れる。ランクⅡのレベルの受験生が、合格することは十分に考えられる。それが果たして良いのかどうか?むしろ、ランクⅠの受験生を7~8割出せる内容にし、その中から精鋭を選出して合格とすべきじゃないか?
とは書いてみたものの、試験元の方針に沿う形で受講生には指導していくしかない。若い世代が不足している状況を鑑み、受験資格要件を見直した割には、どこを目指しているのだろう?という疑問が頭をもたげてしまうような、今年の設計製図課題だった。
今年の学科試験終了直後から製図講義を実施してきた訳だが、昨日、本試験が行われ予想だにしなかったサプライズ!に、受験生全員が戸惑った。間違いなくほぼ全国の受験生全員が戸惑ったと思う。
そのサプライズとは「傾斜地」に計画するというもの。
課題を見ると、南側前面道路境界線を起点に、北側隣地境界まで緩い上り勾配(1/40)がついており、敷地全体を切り盛り土をしてはならない、とある。試験終了後に復元図面を描くためにS学院盛岡校に集合した受講生全員が、蒼白な面持ちで製図板に向かって復元図を描いていた。
去年は、何のサプライズもなく(バルコニーを要求されただけ)素直な課題だっただけに、今年は真逆な課題。これを受け、とっさに次のことが頭に浮かんだ。
1)平均地盤面算定の要不要
2)最高の高さ10m以下、軒高9m以下に対する高さの逸脱
3)外構計画(切り盛り土の必要性)
プランのことより、まず先に上記3点を解決しておかないとプランに入れない。この点が正に今回の課題のキモであることは明白。
これらポイントを元に、復元図面会場で、サクッと考えてみた。
敷地の外構部分において、大きな切り盛り土は行わず、素直に傾斜に合わせてフロアレベルを変えてみるというもの。
住宅コア部分の床をGL+500、診療所床をGL+200にかさ上げし、敷地の傾斜に対応するという案。そうすれば、躯体はいつもどおりの断面高さで、床高を上げた分、天井高さで調整すれば指定の軒高に抵触しないで描ける。(こういう対応も、わずか2か月で培えるかというと無理があって、よほどの設計センスが無いと思いつかないと思われる)
GLの設定はあくまでも前面道路を起点とする※課題文に道路境界をGL±0とすると明記(平均地盤については特記されていないので無視した。そもそもこの短時間での計算には無理がある)
要求室に関しては、至って素直。課題文通りにいつもの学習内容で納めて行けば、無理なく納まる。2階のバルコニーの要求だが、この部分を部分詳細図で要求されている。普通に計画すれば、1階屋上にルーフバルコニーとして計画することになるが、これまでの学習で、ルーフバルコニーの部詳を描いたことがないため、適応力のある受講生は、LDK東側に持ち出しのバルコニーで対応するという名案もあった。いずれにせよ、手摺壁とサッシのダブル要求なので、省略記号を用い両方描くことになる。ここも、応用力、対応力が要求された。
今年の課題を鑑み、少しまとめ(試験元への皮肉)を書いてみる。
・歯科医院併用って、どうでも良くね?(どんな用途の課題でも良かったんじゃないか)
・そもそも学科受験後から製図受験の2か月の学習で、そこまでの応用力を試す試験が必要なのか?
・部分詳細図に至っては、バルコニーと開口部のダブル要求。3時間の中での作図限界時間に対しての配慮が不足している。
今年の課題を作成した試験元を、まぢ問い詰めたい!ちゃぶ台ひっくり返すぞ〜笑
で、今年ランクIの受験生が何人いるのか?建築士資格制度を緩和したために、約5割の合格者を出すための調整は必至だろう。コレって、試験の意味あんの?最もベーシックな課題で基本を問い、2級建築士としての良識を判断する土俵で戦わせるというのが、本来の筋ではないかと、疑問を投げかけたい。2級建築士制度の意味を今一度、再考するべきだと思う。
そもそも2年前の建築士制度、試験制度の緩和見直しはなんだったのか?疑問がぐわんぐわん頭を駆け巡る。なんとも歯痒い今年の設計製図試験だったのではないだろうか。
しかし最後までくじけずに図面を描き上げた今年の受験生の皆さんへ
ホント、お疲れサマでした~!!
学科(構造)の通常講義はすべて消化した。
製図試験に向けての講義が、すでに3か月ほど前から始まっている。
製図は3回まで受験できるが、3回目で合格できなければ、また振り出しに戻り、学科試験から受け直さないといけなくなる。なので、相当覚悟を決めて講義に臨まなければならない。とは言え、1級の試験とはまた違った性質なので、余りギスギスするのもどうかと思い、根を詰めず、締めるところは締めるといった、ある程度の節度を保ち、講義をすすめるようにしている。
今年の製図課題は、まだ発表になってはいないが、恐らく3年に一度の頻度で出されるRC造と予想される。去年は木造2階建てだったこともあり、今年は作図要領が変わる。そのことを前提に作図を続けてきている。作図は皆、これまでしっかりと続けてきた成果もあり、休まずに講義を受けてきた受講生は、まずは設定時間内に合格レベルの図面を仕上げられるようになってきた。あとは、精度を上げる練習にシフトする。
それで、今回のテーマは、プランニング強化。
1)練習課題の接道条件を変えて、オリジナルプランの作成
2)宿題課題も同様、オリジナルプラン作成から作図まで
あとは、今年カド番(製図受験3回目)の受講生への対応をどうするか?何とか今年合格させたい。どこが不足しているのかを見極めて指導しないとイケナイことは重々承知だが、本来的にはいつも通りに試験に臨めば、合格できるレベルであるハズなのに…本番でしくじる。本番では何が起こるか分からない。そういう不測の事態を、講義で疑似的につくって望ませるとか??う~ん、ソコが一番の悩みどころである。
次回講義で本人からヒアリングをし、何か作戦を練ってみようかな。
2級建築士の製図講義が始まった。
十数年ぶりと言われる、一昨日からの大雪で走れず、今日も一日講義で登壇のため走れない。3日も走らないと身体がナマってしまうので、学校まで走って行くことに!
基本的に、昨年不合格だった人たちの講座なので、何をすれば良いのか?どうしたら今年合格できるか?を、一応理解した上で講義に臨んではいると思う。が、しかし講師から一度言われたことを忘れてしまう性格上の問題も多分にあるから、不合格になってしまったとも言い換えられるのではないかと思う。
合格へのロードマップを作成してみる。
これを配布するとダイアリーに挟んだままとか、他の教材に埋もれ、永遠に見ないというオチが付くのが関の山。なので、面倒でも昼休み中に黒板に板書する。黒板に板書すれば、ノートに書かざるを得ないワケで。資料を作って手渡すと、安心感でそれを見ない受講生が中にはいる。渡してるのに、貰ってないとか言う受講生もいたりする。世の中には、様々な人間がいるんだなぁと、つくづく講師になって改めて考えさせられた。
肝心な受講生の出来だが、ほぼ全員合格レベルの作図を描き上げられることを確認できた。スタートは好調!このままの調子で進めて行ければ良いが…
問題は、プランにある!
今回の受講生は、プランで落とされたのだと実感した。